Wyvernの導入と起動

ここでは、Wyvern ウェブサーバをシステムに導入する方法を説明します。 まず、最初に標準的な導入方法を示し、 次に拡張機能を利用するための導入方法を説明します。


標準的な導入

まず、最初に Wyvern のソースパッケージを展開します。
ここで、% はユーザプロンプト、 # は root(スーパーユーザ) のプロンプトを表します。

% cd /usr/local/work
% gunzip -c wyvern-2.0.tar.gz | tar xf -

以降、展開したディレクトリを $WYVERN_DIR と表現します(例えば、/usr/local/work/wyvern$WYVERN_DIR と表します)。

次に、$WYVERN_DIR ディレクトリに移動して configure スクリプトを実行します。

% cd $WYVERN_DIR
% ./configure

デフォルトでは、Wyvern のインストール先は /usr/local/wyvern です。 インストール先を変更したい場合は、 次のように configure コマンドを実行してください。

% ./configure --prefix=/home/kouichi/wyvern

configure コマンドを実行すると $WYVERN_DIR ディレクトリに Makefile が作成されます。 その後、次のようにキーボートから入力してください。

% make >& make.log
% su
# make install

以上で、Wyvern のインストールは終了です。
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拡張機能を利用した導入

Wyvern には、次のようなオプションがあります。 利用したい機能を configure コマンドの引数として スクリプトを実行します。

オプション説明
--enable-mail-announce wyvern シャットダウン時にメールで ServerAdmin に通知します
--enable-jp-mesg エラーレスポンス時のメッセージを日本語にします
--enable-ipv6 IPv6 をサポートします
--enable-syslog syslogd を利用したエラーログ収集を行います
--disable-content-md5 Content-MD5 レスポンスヘッダをつけません
パフォーマンスが約1.5倍ほど向上します
--enable-keep-alive Keep-Alive 接続および HTTP/1.0 で Connection: Keep-Alive を有効にします。 パフォーマンスが約1.5〜2.0倍ほど向上します。 ただし、リクエスト処理中の CPU の負荷も非常に高くなります。
--with-ssl SSL を用いた暗号化通信を 可能にします
--with-ssl-includes=DIR SSL 用ヘッダファイルのディレクトリを指定します
--with-ssl-libraries=DIR SSL 用ライブラリのディレクトリを指定します
--with-gdbm パスワード管理に GDBM を利用します
--with-gdbm-includes=DIR GDBM 用ヘッダファイルのディレクトリを指定します
--with-gdbm-libraries=DIR GDBM 用ライブラリのディレクトリを指定します
--without-gcc C コンパイラに GCC を使用しません

以下に例を示します。

  1. エラーメッセージを日本語表示にする

    % ./configure --enable-jp-mesg
    % make >& make.log
    % su
    # make install

  2. インストール先を /home/kouichi/wyvern にする
    同時にエラーメッセージも日本語表示にする

    % ./configure --prefix=/home/kouichi/wyvern --enable-jp-mesg
    % make >& make.log
    % make install

  3. SSL による暗号化通信を可能にする

    % ./configure --with-ssl
    % make >& make.log
    % su
    # make install

    このとき、インストールの最後で SSL 通信用の仮認証ファイルを作成します。 これは、公式な認証ファイルではありませんが、個人やグループで使用するには 差し支えないと思います。

    また、SSL を利用するには予め OpenSSL から最新の openssl パッケージを入手して導入しておいてください。 現在のバージョンでは、OpenSSL 0.9.6a で動作確認および実装を行っています。 なお、FreeBSD 4.x ではデフォルトで OpenSSL が導入されています。

    SSL を使ったアクセスには、http ではなく、 https を使います。
    https://www.your.domain.here/index.html


Wyvernの起動

Wyvern の起動方法は次の2通りがあります。

自動起動
ここでは、FreeBSD での起動方法を説明します。
Wyvern では、自動的に FreeBSD 用の起動シェルスクリプトを生成します。 デフォルトでは、 /usr/local/wyvern/etc/rc.d/wyvern.sh に インストールされます。 このファイルを/usr/local/etc/rc.d/ にコピーすれば、 次回の FreeBSD の起動時から Wyvern が自動的に起動されます。

Example:
# cp /usr/local/wyvern/etc/rc.d/wyvern.sh /usr/local/etc/rc.d/

手動起動
一番簡単な方法は、次のような例となります。

Example:
# /usr/local/wyvern/sbin/wyvern

また、 Taketa Toshihiro <taketa@etn.yz.yamagata-u.ac.jp> さんより寄贈の wyvernctl という制御スクリプトがあります。 これを用いると次のようにして Wyvern の操作を制御できます。

Example:
# /usr/local/wyvern/sbin/wyvernctl start(起動)
# /usr/local/wyvern/sbin/wyvernctl stop(停止)
# /usr/local/wyvern/sbin/wyvernctl restart(再起動)



Last Modified: $Date: 2004/01/11 13:24:42 $
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